総勢16名、2025年のメジャーリーグで戦う日本人プレーヤー〜その1〜

2025年のメジャーリーグシーズン、日本人選手たちの活躍に大きな期待が集まっている。2024年、ロサンゼルス・ドジャースに移籍した大谷翔平は、打者専任ながらも圧倒的な成績を残し、MVP、本塁打王、打点王の三冠を獲得。2025年は投手としての復帰も果たし、二刀流の完全復活を目指す。

また、山本由伸はメジャー2年目となる今季、エースとしての飛躍が求められ、佐々木朗希は遂にMLBデビューを迎える。さらに、今永昇太や鈴木誠也、千賀滉大らもそれぞれのチームで重要な役割を担い、新たな日本人選手も海を渡った中、選手たちはメジャーリーグの舞台でさらなる歴史を刻もうとしている。

日本人メジャーリーガーの2024年シーズンの振り返りと、2025年の展望を選手ごとに詳しく解説していく。
まずは6年ぶりの日本での開催で開幕を迎えるドジャース、カブスの選手から見ていこう。

大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)

2024年、ロサンゼルス・ドジャースに移籍した大谷翔平は、打者専任として歴史的なシーズンを送った。打率.316、54本塁打、130打点、59盗塁を記録し、メジャーリーグ史上初の「50本塁打・50盗塁」を達成。この活躍でリーグMVP、本塁打王、打点王のタイトルを獲得し、ドジャースのワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。

2025年シーズン、大谷は二刀流としての完全復活を目指す。右肘の手術からの回復を経て、投手としてもマウンドに立つ予定だ。ドジャースのロバーツ監督は、大谷の起用法について慎重に検討しており、シーズン序盤は球数やイニング数に制限を設ける可能性がある。

投手としての復帰初年度は、約20試合の登板で115イニング程度を投げると予想されている。防御率は3.00前後、奪三振数は130~150と見込まれ、復帰後も高いパフォーマンスを維持するだろう。

打者としては、前年同様の活躍が期待される。打率.300以上、40本塁打、100打点、30盗塁といった成績を目指し、チームの中心打者としてラインアップを牽引するだろう。特に、投打のバランスを考慮した起用が求められる中で、いかに自身のパフォーマンスを維持しつつ、チームに貢献できるかが鍵となる。

ドジャースは、山本由伸や佐々木朗希といった日本人投手も擁し、強力な先発ローテーションを形成している。大谷の二刀流復活は、チームの戦力をさらに底上げし、ワールドシリーズ連覇への大きな原動力となるだろう。ファンやメディアからの注目も一層高まる中、大谷翔平の2025年シーズンの活躍に期待が寄せられている。

山本由伸(ロサンゼルス・ドジャース)

2024年、ロサンゼルス・ドジャースに移籍した山本由伸は、メジャー初年度からその実力を証明した。シーズン序盤、韓国・ソウルで行われた開幕戦では1回5失点とほろ苦いデビューとなったが、その後は順調に調子を上げ、最終的には18試合に先発登板し、7勝2敗、防御率3.00、105奪三振という成績を残した。特に4月6日のシカゴ・カブス戦では、5回無失点で初勝利を挙げ、以降も安定した投球を続けた。しかし、6月15日の登板中に右肩の回旋筋腱板を痛め、約3か月間の離脱を余儀なくされた。
9月10日に復帰後は、ポストシーズンでも重要な役割を果たし、特にワールドシリーズ第2戦では、ニューヨーク・ヤンキースを相手に7回1失点と好投した。

2025年シーズンに向けて、山本はさらなる飛躍が期待される。右肩の故障から完全に回復し、フルシーズンを通じてローテーションを守ることが目標となるだろう。ドジャースは彼に対し12年総額3億2,500万ドルという大型契約を結んでおり、その期待に応えるべく、二桁勝利や防御率2点台といった高い目標が設定されることが予想される。また、ポストシーズンでの経験を活かし、チームのエースとしての地位を確立することも求められる。山本の持ち味である制球力と多彩な変化球を武器に、2025年シーズンもドジャースの先発陣を牽引する存在となるだろう。

佐々木朗希(ロサンゼルス・ドジャース)

佐々木朗希がついにメジャー挑戦の時を迎えた。千葉ロッテ時代の通算成績は51試合登板で20勝11敗、防御率1.97、奪三振率12.0と圧倒的。特に最速165km/hの直球と落差の大きいフォークはNPB屈指の決め球であり、2022年には史上最年少で完全試合を達成した。MLB移籍に際しては25歳ルールの影響を受け、ドジャースとは当初マイナー契約を結んだが、開幕までにメジャー契約へ切り替えられる見込みで、40人枠入りは確実視されている。

ドジャースのローテーションには山本由伸、グラスノー、ボビー・ミラーらが名を連ねるが、佐々木も十分に先発の一角を担える実力を持つ。メジャーの打者相手にも160km/h超の速球とフォークは有効だが、課題はスタミナ。NPB時代は球数が増えると球威が落ちる傾向があり、1年を通じてローテーションを守れるかがポイントとなる。2025年の成績予想としては、15~20試合登板で8勝6敗、防御率3.50前後、奪三振率10.0以上が目標ライン。大谷、山本に続く日本人スターとして、メジャー1年目からどこまで爪痕を残せるか注目だ。

今永昇太(シカゴ・カブス)

シカゴ・カブスの今永昇太投手は、2024年シーズンにメジャーリーグへ移籍し、見事な活躍を見せた。29試合に先発し、15勝3敗、防御率2.91、174奪三振を記録し、ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票で5位に入るなど、ルーキーイヤーとしては申し分ない成績を残した。特筆すべきは、今永が登板した試合でチームが23勝6敗と高い勝率を誇り、彼の存在がチームの勝利に直結していた点だ。

2025年シーズンの開幕戦は、3月18日に東京ドームで行われる予定で、今永はその大役を任されることが決定している。対戦相手はロサンゼルス・ドジャースで、同じく日本人投手の山本由伸が先発する予定だ。この試合は、メジャーリーグ史上初となる日本人投手同士の開幕戦先発対決として大きな注目を集めている。
今永自身もこの大役に対し、「大変光栄なこと」とコメントしており、日本での開幕戦に特別な意気込みを見せている。 カブスのクレイグ・カウンセル監督は、開幕投手に今永を指名した理由について、「彼の昨シーズンのパフォーマンスと安定感が決め手」と述べており、チーム内での信頼も厚い。

2025年シーズン、今永はさらなる飛躍が期待される。昨シーズンの経験を糧に、安定した投球を続けることで、チームのエースとしての地位を確立するだろう。具体的には、昨年を上回る16勝以上、防御率2.80以下、200奪三振を目指すことが現実的な目標となる。また、開幕戦での好投がシーズン全体の勢いを左右する可能性が高く、日本での大舞台での活躍が期待される。

鈴木誠也(シカゴ・カブス)

シカゴ・カブスの鈴木誠也は、2024年シーズンに132試合に出場し、打率.283、21本塁打、73打点、16盗塁、OPS.848と、前年を上回る成績を残した。特に本塁打は自己最多を更新し、長打力が向上していることを示した。また、出塁率.350、長打率.498と高水準を維持し、OPSはリーグでも上位の成績を記録。安定した打撃で中軸としての役割を果たした。

2025年シーズンのカブスは、新戦力の加入により打線の厚みが増し、鈴木にとってはより打点を稼げるチャンスが増える可能性が高い。昨季の成績を踏まえ、コンディションを維持できれば、140試合以上の出場が期待できる。仮に昨季のペースを維持した場合、打率.280前後、本塁打25本、打点85前後、OPS.850以上といった成績が見込まれる。さらに、走塁面でも16盗塁を記録しており、20-20(本塁打・盗塁)の達成も視野に入る。

2024年の後半戦ではOPS.900を超えるなど、シーズン終盤に調子を上げた点もポジティブな要素。仮にこの勢いをシーズン通して維持できれば、キャリアハイの成績を記録する可能性も十分にある。カブス打線の中核を担う存在として、2025年シーズンもチームを牽引する活躍が期待される。

総勢16名、2025年のメジャーリーグで戦う日本人プレーヤー〜その2〜に続く...