2026年W杯 日本代表DFの序列は? 守備陣の現状と選考争いを徹底分析
8大会連続でワールドカップの出場権を獲得した日本代表。今後の焦点は、本大会メンバーに誰が選ばれるかだ。ワールドカップ開催まで残り1年2ヶ月余りとなった中、今後は各クラブでの活動と代表活動の中で熾烈なメンバー争いが繰り広げられることになる。
2025年4月現在の候補選手たちの状況を踏まえ、どこよりも早く日本代表のメンバー予想を行う。
GK編に続いて、今回はディフェンダーの候補選手たちを確認しつつ、最終メンバーを予想していく。
森保監督は1次政権から、4バックと3バックを併用し、3バック時にはWBに攻撃的な選手をチョイスすることもあって、これまでディフェンダーは純粋なサイドバックよりもセンターバックタイプの選手を多く選出してきている。その影響もあってか、センターバック陣は人材が豊富な一方で、サイドバックはやや手薄な印象だ。
板倉・町田・伊藤は確実な選出へ
現時点で、日本代表のディフェンスラインの中核を担うのは板倉滉(ボルシア・メンヘングラートバッハ)、町田浩樹(ユニオン・サンジロワーズ)、伊藤洋輝(バイエルン・ミュンヘン)だ。
板倉はセンターバック(CB)と守備的MFの両方をこなせる万能型で、日本代表の最終ラインの中心に定着。空中戦の強さに加え、ビルドアップ能力も向上しており、2026年W杯でのレギュラーは確実視される。
伊藤は、対人守備の強さ、センターバックと左サイドバックをこなすユーティリティ性で貴重な戦力だ。2024年夏にはバイエルンに移籍したものの、プレシーズンで右足中足骨の骨折を負って半年離脱。年明けにようやく復帰を果たし、出場機会も増えてきていたが、再び同箇所を負傷し、シーズン中の復帰は無くなった。コンディションが万全であれば、代表にも確実に選ばれるであろうが、移籍後、怪我がちなのが気になるところだ。
町田はベルギーの強豪で出場を続け、高さとビルドアップの能力を兼ね備えた左利きのCBとして貴重な存在。伊藤が怪我で離脱する間、代表レギュラーの座を確保した。特徴が伊藤と被るが、所属クラブで活躍を続ければ、招集は確実か。
菅原由勢はサイドバックが本職で、3バックにも、4バックにも対応が可能。移籍したサウサンプトンでは、チームが最下位と苦しむ中で、出場機会もやや限られており、持ち前の攻撃力を発揮しづらい環境にある。しかし、代表にはコンスタントに呼ばれ、出場すればゴールやアシストで結果を残しており、数少ないサイドバックのスペシャリストとして招集されるだろう。
冨安の状態が鍵。中山、橋岡、谷口、高井、長友が有力候補
本来ならば確実な選出となるべき冨安健洋(アーセナル)だが、2024年2月に膝の手術を受け、2024/25シーズンの復帰は不可能となった。能力面では間違いなく日本代表のトップDFだが、コンディションが戻るかどうかは大きな不安要素となる。
左SBとCBの両方をこなせる中山雄太(町田ゼルビア)は、復調次第では代表入りもあり得る。しかし、同ポジションには、伊藤、町田がおり、ここに割って入れるかは所属クラブでの活躍次第になりそうだ。
右サイドを主戦場とする橋岡大樹(ルートン・タウン)は、フィジカルの強さと対人守備の安定感が評価される選手。サイドバックとセンターバックをこなすユーティリティ性は限られたメンバー数の中で貴重なオプションとなりそうである。
また、長年代表のCB陣を支えてきた谷口彰悟(シントトロイデン)も、ベテラン枠としての招集になるか。ただし、センターバックの人材は豊富なだけに、年齢を考慮すると、招集外という可能性もありそうだ。
ベテランという意味では、4大会連続でW杯に出場している長友佑都(FC東京)も、経験値やムードメーカーとしての役割を期待され、代表入りする可能性がある。2024、25年の代表活動では、ベンチ入りこそないものの、招集を受け、経験豊富な選手として、チーム全体のモチベーター的役割を担っているようである。左サイドバックのスペシャリストも現在の代表では目立った存在がいないだけに、招集の可能性もゼロではないだろう。
若手枠では、川崎フロンターレの高井幸大が注目の存在。パリオリンピックでその存在感を高め、20歳ながらフィジカルの強さや足元の技術を武器にJリーグでコンスタントに出場を続けている。
当落線上の選手たち。若手の台頭がカギに
森保ジャパンにこれまで招集された選手の内、現時点で最終メンバー入りが微妙な立場にあるのが渡辺剛(KAAヘント)、毎熊晟矢(AZアルクマール)、望月ヘンリー海輝(町田ゼルビア)、関根大輝(柏レイソル)、瀬古歩夢(グラスホッパーCZ)らだ。
渡辺はベルギーで評価が高いものの、代表では序列が低い。今後、安定したパフォーマンスを見せられれば、CBのバックアップとして滑り込む可能性はあるか。
毎熊は攻撃的な右SBとして、2023年から代表に招集されているが、森保監督が趣向する戦術や、菅原、橋岡の存在を考えると選考は厳しい状況に見える。クラブで結果を残せば逆転の可能性もある。
関根、望月、瀬古らの若手DF陣は、来シーズンの所属クラブでの活躍次第でサプライズ招集もありえるか。
2026年ワールドカップ、DF陣の展望
現時点では、板倉、町田、菅原、伊藤の4人が当確。冨安が復帰できるかどうかが大きなポイントとなり、それに伴い中山や谷口、橋岡、高井らの招集にも影響がありそうだ。
また、長友のような経験豊富な選手が、ムードメーカーやチームをまとめるリーダー的ポジションで選ばれる可能性もある。最終メンバー23~26人の枠内で、DFが何人入るかにもよるが、当落線上の選手たちは今後の活躍がキーになってくるだろう。
次はミッドフィルダー&フォワード編へと続く。